PSiArcの研究でもない日記160513

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大会日記

5/11 Douyu cup

JINとLittlewolf相手はあまり思い通りの動きができず1本ずつ落とす苦戦。
JINは中国トップ勢や韓国プロから頻繁に1本取ってるのでかなりの強さを予想していたが、強さの割に色々粗くて下手なところがあった。
SCV生産が止まることすらあるけど勝負どころを理解してマイクロを注ぎこむので結構勝てるタイプ。RUFFの類型かもね。
Littlewolfのほうが基礎力はありそうに感じたけどあまり勝ててないのはどこを今守るべきという勝負勘が不足しているせいだろう。



Hydra相手にはかなり綺麗にハラスマイクロが入れられてロストリソース差600ほどつけるが
ハラスの時間が過ぎた途端にこちらが攻められるようになるまでの間にあっという間にドローンを伸ばされ普通に中盤圧殺される。
もっとカツカツに攻め続けられるオーダーを組んでないとこの程度のハラスダメージじゃ一瞬しか効果がないなとシビアさを感じる0-2負け。
やはりこのレベルのプレイヤーは何が起こってもマクロがブレず完璧に動き続けているというそれだけで物量が圧倒的に出る。
このレベル相手だと「このへんはオーダーや立ち回りのバリエーションでしょ」と思っていたような部分でも究極的には勝ち負けを分かつ正解不正解の選択肢を感じる。


5/12 Douyu cup

Aligulacレート2000、昨日のDouyu Cupで優勝まであと1ゲームで負けたKelazhurさんにまさかの勝利。懸賞金で30豪ドル獲得。
頭痛くて試合直前までやっぱり出ないでおこうかなとすら考えてたって背景と合わせて奇跡すぎ。
勝ち筋はどちらも相手にオーダーを誤認させたことによるアドバンテージで、
別に研究しきったシナリオでもなかったのに何となくその場その場で取った行動が結果的に正解で、
与えた情報と隠した情報のバランスがこの他にないという形になってしまった。
自分が半分まぐれで成したプレイに自分でビビって自分で研究することになるという、たまに起こる奇跡。



5/13 Douyu cup

ByuNさんにストレート負け
元々特定のプレイヤーに苦手意識を持ったりするタイプではないし1本取ったこともあるのでポジティブなマインドセットで戦える相手だが
単純にプレイヤー能力が鬼強い。プレイスタイルもオールラウンドなうえに紛れを減らして一手一手詰めてる感じなので中々ラッキーウィンに持ち込みにくい。
でもいつもボコされたリプレイ見ながらTvT20回回せるくらい参考になることが多いのでかなりありがたい相手。
韓国プロは英語チャットだと塩対応率が高いけどByuNさんはかなりフレンドリーなのも嬉しいところ。


負けた時に言葉がないという話

最近よく思うのは言葉の無力さということであります。
プレイヤーというものについて考えるとき、
「あいつは支離滅裂な独り言しか言わないが、兎も角あいつは勝ちを運んでくるんだ」という暴力的魅力に比べて
弱々しい存在が繰り返し放つ放つ高潔な決意表明や正論にどれほどの価値がありましょうか。
最近は敗北の度に使える言葉も使いたい言葉も1つもないことに気付きます。

「調子が悪かったんです」
第三者にとっては事実かどうかもよくわからず、結果も変わりません。黙って次回勝利することが上位互換でしょう。
「かなり惜しかったんだけども」
どっちみち結果は変わりません。黙って次回勝利することが上位互換でしょう。
「次回こそ」
言いたいです。でもそれを言って失敗することをどれだけ繰り返してきましたか? 口先ではなんとでも言えます。言うことと言わないことの差が感じ取れないのです。
「気持ちを入れ替えて頑張って練習します」
言うことに問題は感じませんが、何度も言っていたら練習という言葉がゲシュタルト崩壊を起こしそうです。
「負けもまたモチベーションになりました」
問題は感じませんが、何度も言っていたらどれだけモチベーションが必要なのかと自分でシリアスな笑いを感じてしまいそう。
「相手が完全に一枚上手でした」
黙っていても何となくそう解されるでしょう。毎度毎度殊更にスポーツマンシップをアピールしたいとも思いません。
「力及ばず悔しいなぁ」
まったく問題は感じませんが、色んな人から慰めや励ましの言葉を頂いて感激したりお返事したりする時間すら惜しくありませんか。

こういった言葉を自分が使ったことも知人が使っているのをみたことも数知れず、その回数が膨大になりすぎてすべてが陳腐に感じるようになってきました。
こういった定型句の無力さや政治的発言の空虚さに比べて、ただ自分の内側において強さを希求することの生み出す活力といったらありません。

口を開く間を惜しんですぐに次のための研究や練習に取りかかることほど力を漲らせる行いを私は知りません。

プレイヤーの反応がすごいのは反射神経がすごいという誤解

ああいうのはたいてい反射神経がすごいのではなくて想定の深さやミニマップを見続ける根性、
ミニマップを見続けていてもいいようにマクロやマイクロを極めてることがすごいんです。
自分がどんどん歳を取っていくからといってポジショントークしているように聞こえるかもしれませんが
実際にプレイしていてSC2に関して反射神経自体はあまり必要だと思いません。
ベイン相手のスプリットにしてもタンクの回収にしても「今相手の軍隊がどう動いていてどういう意図があって~」
という全体視が出来ていれば操作が必要になる前に自然と「そろそろだな」とわかるものです。
「反応がすごかった」と言われてもたいてい「いや、あれは最初からあのタイミングで何か来ることを想定して警戒してるし俺がおじいちゃんだったとしても反応出来てそう」と思うことが多い。
戦闘で操作ミスをして負けても「どういう操作を入れるべきかの答えを知らなかった」ことが原因で反射神経以前の問題の場合が多く、反射神経を悔いた覚えがほとんどありません。


ものすごく高速な操作なども結局15アクションやそこらが1セットになっているわけでそこまで頻繁に反射的な判断を挟んでいるわけではありません。
そして素早く正確に手を動かすということだけ見れば年配の職人さんなど例には暇がないわけです。


もちろん体力勝負や気力勝負になることもよくあるし若いほうがいいのは間違いありません。
本当にギリギリの勝負になるとわずかな反射神経の差の積み重ねが敗着になることもあるかもしれない。
でも20台後半程度の反射神経の落ち方自体が致命的かというと疑問です。
韓国プロの引退もまず兵役の存在が非常に大きいし、セカンドキャリアとの兼ね合いなど引退時期を決める大きな要素は他にも色々挙げられます。


別ゲーに浮気しないのが偉いというような

他のゲームをやってますか?ということを定期的に聞かれます。
ほとんどやっていないと答えると「さすが」と言われたりしますがこれが嬉しくない。
そんな見かけ上の勤勉さに意味はなく、せいぜいが無能の証明のようなものです。
弱いから遊ぶ余裕がないんです。毎日他のゲームで遊んでても強い人間は強いです。
メジャー大会の予選で勝ち抜け候補になる実力を維持してるようなプレイヤーで
よく「モチベーションが上がらない」と言ってDotaやCSGOを一緒に遊ぶ相手を探してるような人、そうでなくとも学業などと両立している人はいくらでもいます。
一度到達したレベルの維持やらリハビリにはそこまで時間はかかりません。
1日2時間でもスタクラを練習する時間があれば意外と習得済みのスキルの維持だけならかなりできます。
そもそも利口に気分転換をできる人は生活上のあらゆる場面で効率と楽しさを水増しできる有能な人であって、
思考停止で1日10時間プレイして何も学ばない人と1日4時間効率よく練習する人では後者の方が遥かに有意義です。