ESL Pro Tour 20-21のシステム変更が発表されました。

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Summary

ESL Pro Tourのシステム変更

2019年まで続いたWCSからバトンを受け、2020年から始まった新しいEスポーツシステム、ESL Pro Tour。
毎週のESL CupやIEM Katowice 2020は終えたものの、全世界的な新型コロナウィルスのパンデミックに伴い、今後のオフライン大規模大会の開催が困難になりました。
そこで2020年に関しては、大会をオンライン開催とし、それに合わせて全体のシステムも変更されています。
変更前のシステムは以下をどうぞ。

WCSに代わり、StarCraft2 ESL Pro Tourの開催が告知されました。

ざっくりとした変更内容は以下の通りです。

  • 2020年開催予定だった3つのオフラインDreamhack Mastersイベントは全てキャンセルされる。
  • 代わりにDreamhack Masters;Summer/Fall/Winterの長期間にわたるオンラインリーグが開催される。
  • 上記オンラインリーグは、欧州、北米、南米、オセアニア/東南アジア、中国、台湾香港マカオ日本の6リージョンに分けて行われる。
  • シーズン終了時は6リージョン+EPT Korea側から各リージョンのチャンピオンが集まり、Season Finalイベントが開催される。
  • 決勝大会であるIEM Katowiceでの2021 Masters Championshipの参加人数36人は変わらないが、選出方法が変更。
  • NA、KR、EUの3地域で毎週開催されるオンラインオープントーナメント「ESL Open Cup」の賞金額が増加。

それでは変更されたESL Pro Tourについてもっと細かく見ていきましょう。

Dreamhack Mastersイベント

Dreamhack Mastersイベントは、海外選手が参加可能なオンラインで行われる長期リーグです。
以下の3シーズンが予定されています。

  • DreamHack SC2 Masters Summer
  • DreamHack SC2 Masters Fall
  • DreamHack SC2 Masters Winter

Summerのスケジュールは以下の通りです。
20eptsummer.png

リージョン

2020年のDreamhack Mastersイベントはヨーロッパ、アメリカ、ラテンアメリカ、オセアニア/東南アジア、中国、台湾/香港/マカオ/中国の6リージョンに分かれてリーグが行われます。
これはおそらくオンラインで大会を行う関係上、全リージョンから参加するイベントにしてしまうと、ping値の問題で不公平が発生してしまうためかと思われます。
各リージョンの参加人数と次シーズンのシードは以下の通りです。

Ept20division.png
各リージョンごとの大会形式は以下の通りです。

  • ヨーロッパ:8人グループ×4で総当たり戦を行い、各グループ上位4人がプレーオフに進出。プレーオフは8人の勝者側、8人の敗者側によるダブルエリミネーショントーナメント。
  • アメリカ:8人グループ×2で総当たり戦を行い、各グループ上位4人がプレーオフに進出。プレーオフは4人の勝者側、4人の敗者側によるダブルエリミネーショントーナメント。
  • その他4リージョン:4人グループ×2でGSL形式のグループ戦を行い、各グループ上位2人がプレーオフに進出。プレーオフは4人によるダブルエリミネーショントーナメント。

シーズンファイナル

上記の6リージョンに加え、韓国リージョンのチャンピオン(+2位?)も合わせた8人による各シーズンの決勝大会です。
4人グループ×2でGSL形式のグループ戦を行い、各グループ上位2人がプレーオフに進出。プレーオフは4人によるダブルエリミネーショントーナメントという形式です。

TeamLiquidには全く異なるフォーマットが記載されていました。
韓国(6)、ヨーロッパ(4)、北米(2)、その他4リージョンそれぞれ(1)人の合計16人による大会で、
4人グループ×4でGSL形式のグループ戦を行い、各グループ上位2人がプレーオフに進出。プレーオフは8人によるダブルエリミネーショントーナメントという形式です。
どちらが正しいのでしょうか?
また、状況さえ許せば、このシーズンファイナルイベントはオフラインで行う可能性もある、とのことです。世界の感染状況が落ち着けば・・・ということでしょうね。

賞金額

賞金額は各シーズン・リージョンごとに以下のように設定されています。

  • ヨーロッパ: $84,000
  • 北米: $38,000
  • ラテンアメリカ: $17,200
  • オセアニア、東南アジア、台湾/香港/マカオ/日本、中国: $14,100
  • シーズンファイナル: $57,000

マップハックの懸念について

オンラインリーグ化する以上、マップハックなどのチートが懸念されます。
全盛期に比べるとだいぶ減ったようですが、未だにマップハックが疑われるリプレーがRedditなどに投稿されるケースも少なくありません。
この問題に関しては、主催のESLがBlizzardと連携を取りながら対応していきたいとのこと。
マップハックが減るのであれば、他全てのプレーヤーにとってもプラスなので、ぜひ積極的に対応していってほしいですね。

筆者の感想

オンラインでの開催になる以上、リージョンを細かく分けて大会を行うのは仕方ないでしょう。
ラテンアメリカやオセアニア、そして日本も含む台湾リージョンにとってはむしろ地域シーンの発展にとってもプラスな形式なのではないでしょうか。
シーズンファイナルが韓国プレーヤーも含むグローバルイベントになったのも嬉しいですね。2013 WCSのSeason Finalを思い出します。
もっともあれも各リージョンの上位プレーヤーが参加してはいたものの、ほとんどが韓国人プレーヤーでしたが・・・。
複数グループリーグによる長期リーグになるため、毎日のように公式戦が行われ、長く継続的に楽しめるのも個人的には好みです。これも昔のWCS AM/EUを思い出しますね。

EPT Korea(韓国)側

特に変わりはありません。3回のGSLと2回(1回すでに終了)のSuper Tournamentが行われ、ポイントを争います。
GSLチャンピオンは決勝大会であるMasters Championship本戦にストレートインします。
韓国選手からすると、Season Finalの新設により上位選手がプレーする機会が増えたのは良い点と言えるでしょう。

ESL Open Cup

毎週ヨーロッパ、韓国、北米それぞれのリージョンで行われているるオンラインオープントーナメントであるESL Open Cupにも変更が入ります。
EPT Pointは変わらないものの賞金額は4倍になり、以下の通りに分配されます。

  • 優勝: $200 & 10 EPT points
  • 準優勝: $100 & 5 EPT points
  • 3/4位: $50

この賞金額の増加はここ最近の参加者・視聴者の増加から判断したもの、とのこと。
最上位プレーヤーはこの大会に出ないことも多かったのですが、賞金額増加によりこの風潮も変わってくるかもしれませんね。
また、Mastersイベントやサードパーティーイベントとのバッティングを防ぐため、日曜開催から月曜開催に移動しています。

Masters Globalイベント

ESL Pro Tour側の海外選手と韓国選手、どちらも出場可能な大会がMasters Globalイベントです。
すでにIEM Katowiceが行われた他、2021年1月にもう一度オフラインのMasters Globalイベントが予定されているとのこと。
RogueがIEM Katowiceで獲得したように、このMasters Globalイベントの優勝者も、決勝大会であるMasters Championshipの出場権を獲得するようです。

決勝大会「Masters Championship」

1年の締めくくりとなる決勝大会、Masters Championshipにも変更が入っています。
優勝賞金50万ドル、2021年のIEM Katowiceの場で1週間程度の日程で開催されることは変わりませんが、参加する選手の選考方法が変更されています。

参加資格

以下のプレイヤーがMasters Championshipに参加できます。

20eptchamp.png

Ro24(本戦)へのストレートイン(20人)

EPTポイントを各リージョンごとに競い、上位プレーヤーがRo24にストレートインします。枠は以下の通りです。

  • ヨーロッパ(1~5位)
  • 北米(1-2位)
  • 中国(1位)
  • ラテンアメリカ(1位)
  • 韓国(1-6位)
  • GSL優勝者3人とMasters Globalイベント優勝者2人

PLAY-INステージ(16人)

  • ヨーロッパ(6-7位)
  • 北米(3位)
  • 中国(2位)
  • ラテンアメリカ(2位)
  • 台湾/香港/マカオ/日本(1-2位)
  • 韓国(9-14位)

この16人は本戦開始前にPLAY-INステージを戦い、勝ち抜いた4人のプレーヤーが本戦へと出場します。

終わりに

新型コロナウィルスのパンデミックにより大変な状況の中、新しいシステムを素早くまとめあげた関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。
Eスポーツとはいえ大規模オフライン大会の熱狂はプレーヤーにとっても視聴者にとっても捨てがたいものですので、オンラインメインになってしまったことは残念ですが、
家で自粛・外出禁止生活を耐えているファンが長く定期的に楽しめる、素晴らしいフォーマットに仕上がっているのではないかと思います。
このオンラインメインの2020年が過ぎた後、2021年開催予定のMasters Globalイベントと決勝大会であるMasters Championshipがオフラインの熱狂の元で開催されることを祈りながら、今年のSC2 Eスポーツを楽しんでいきましょう!