17/8/17 大規模ユニットデザイン変更案が発表されました。(最終更新:11/1)

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Summary

  • http://us.battle.net/sc2/en/blog/20975163
  • 今年も大規模ユニットデザイン変更がやってきました。ユニットのデザイン変更や削除などかなり大規模なものになっているので、ぜひチェックしてみましょう!

詳細

8/31追記:テストマップには随時変更が入るため、この変更リストも随時更新しています。それぞれの変更に関しては以下の記事をどうぞ。

公式の変更リストはこちら→http://us.battle.net/sc2/en/blog/20975163/ 

2016年にはSC2史上初めて拡張発売時以外での大規模なユニットのデザイン変更を含めたバランス調整が行われました。良かった点悪かった点あったかと思いますが、
SC2を良くするためには数値の調整のみならずデザイン変更も辞さない姿勢は高く評価され、また再度の大規模変更も期待されていました。
その声に答えてか今年2017年も昨年より大規模なデザイン変更を含めたバランス調整が行われる予定です。以下はその調整案の内容を見ていきます。
また、これらの調整は既にTestingのマッチメイキングシステムで実際に試すことが可能です。

エコノミーの変更案

HotS→Lotvへの移行時、エコノミーの変更として3ベースで篭もるプレーをやりづらくし、早期の拡張を促すためにミネラルパッチの総量変更が行われました。
これは意図通りの結果をもたらしスピーディーな拡張が行われるようになりましたが、拡張を咎められたプレーヤーが以前より不利になってしまうという問題点もありました。
これを少し改善するために以下のような変更が予定されています。

  • 大きいミネラルパッチのミネラル総量:Minerals.gif1500→Minerals.gif1800に増加
  • 小さいミネラルパッチの総量はMinerals.gif900で変化なし
  • ヴェスピンガスの総量:Vespene-terran.gif2000→Vespene-terran.gif2250に増加

これにより1つのベースにとどまれる時間は長くなりつつも、小さなミネラルパッチはすぐなくなってしまうので拡張自体はしていくほうが良いという形になりそうです。

テランの変更案

昨年の大規模バランス調整では、バイオに大きく偏っていたテランの構成を是正すべく、メックの復権を意図した調整が多く入りました。
これにより個々のユニットでは多く使われるようになったものも出ましたが、メック構成自体はvZで僅かに使われるようになった程度でした。
今年はさらに突っ込んだ変更を行い、メック構成の復権を狙っていくようです。
変更まとめ動画はこちら↓

以下が変更案です。

MULE

  • MULERefineryからヴェスピンガスを採取できるようになります。1回の往復でVespene-terran.gif10を採取します。
  • MULEが1回の往復で採取するミネラル量:Minerals.gif25→Minerals.gif20

ついにガスを採取できるようになるかもしれないミュール君。メックには良い変更ですが、ミネラル採取量が減ることによりバイオ構成には少しマイナスになりそうです。
この変更は無くなりました。サヨナラガス採掘ミュール君。

Raven

  • 現在の全スキル及びRecalibrated Explosivesアップグレードを削除。
  • 新スキル:Scrambler Missleを追加。
    • 50エナジー、射程8、加速度22.4。対象のMechanicalユニット及びPsionicユニットの武器とスキルが短時間使用不能になる。

BWのロックダウンスキルに似ていますが、こちらは移動は可能です。Medivacなどに使えばユニットが下ろせなくなったりもするようです。最初はMechanicalユニットのみでしたが、Psionicユニットも対象になることでvZでも役に立つようになりました。

  • 新スキル:Repair Droneを追加。
    • 75エナジー。一定時間、範囲6内のMechanicalユニットを回復可能なRepair Droneを展開する。

メック版Medivacのような効果です。Co-opからの輸入スキルのようですね。

  • 新スキル:Shredder Missileを追加。
    • 125エナジー。1.4秒のDelayの後起動し、対象を追尾、着弾時に30の範囲ダメージ及び21.4秒の間アーマーを3下げるShredder Missileを展開する。
    • 新アップグレード:Enhanced Munitionsを追加。Shredder Missileの効果範囲20%増加、追尾距離50%増加。

シーカーミサイルと同じ挙動ですが、効果は小ダメージ+アーマー減少効果と大きく異なります。なんと装甲はマイナスにもなるようです。着弾したユニットにはデバフ時間を表すステータスバーが表示されます。

Ravenに関してはタレット強化などいくつかの変更が行われてきましたが、ここにきて一気に全スキルとっかえの大規模変更が入ります。
ハラスではなくサポートキャスターとしての役割を強化し、かつ大量に作るのではなく少数で仕事をするユニットを目指しているようです。
3つのスキルはどれも直接戦闘やハラスではあまり役に立たないサポートメインのスキルばかりですね。

Widow Mine

  • Widow Mineは攻撃のクールダウン中(バロウ中でも)視認可能になる。

HotSでの登場以降(特にvPで)試合がWidow Mineだけで終わる瞬間が多くありましたが、少なくとも継続的にWidow Mineに悩まされる展開は少なくなりそうです。
とはいえ初回攻撃時の威力は全く落ちていないので、しっかりと反応しないといけないのは変わっていないのは注意です。
vZの継続戦闘時などにも視認可能になるのはテランには少し苦しいかもしれません。

Ghost

  • Ghostは初期状態からCloakが使用可能になる
  • Ghostの初期エナジー:75→50に減少。
  • Moebius Reactorアップグレードが復活(Ghostの初期エネルギーを+25する研究)

最初からクロークが使用可能な代わりに初期エナジーが減少する調整です。Lotv初期に即クロークゴーストラッシュなどを見ましたが、
そのラッシュが多く見られるようになるかもしれません。

Liberator

  • Defender Mode時の視界ボーナスが削除。
  • Defender Mode時にターゲットエリアの視界を確保可能になる。

Liberatorは小さな変更です。これにより対処する側が視界外から近づいて打ちやすくなるということですが、実際どのくらい影響があるでしょうか。

Cyclone

  • Lock On時のミサイル攻撃の最初の4発は急速に発射されるようになる。ダメージ総量は160で変更なし。
  • 新アップグレード:Rapid Fire Launchersを追加。
    • Lock On時の最初の12発は0.21秒間隔で射出され、残りの8発は0.84秒間隔で射出される。

Cycloneの対空豆鉄砲が少し強くなる変更ですが、研究を入れないといけないこともありどの程度影響があるかはなんともですね。

新アップグレード:Smart Servos

入れるとHotSオープニングムービー並の速度でVikingが変更するようになります。HellionHellbatの変形は他の変形に比べてこのアップグレードの恩恵は薄く設定されています。(2.86秒での変形)

プロトスの変更案

前回の大規模変更では変更が少なかったプロトスですが、今回はユニットの削除を含めた非常に多くの変更案が出ています。
ただのユニット調整ではなくゲームの基礎面での変更もありますので、かなり実験的な要素も強そうです。
変更まとめ動画はこちら↓

以下が変更案です。

Mothership Core&Nexus

  • Mothership Coreをゲームから削除。
  • Nexusに新スキル:Chrono Boostを追加。
    • 50エナジー、効果時間10秒。建物の生産・研究速度を100%増加させる。

HotSまでのChrono Boostと同じ仕様に戻ります。

  • Nexusに新スキル:Mass Recallを追加。
    • 100エナジー。4秒後に指定範囲のユニットをNexusの近くにテレポートさせる。この間ユニットは攻撃も移動も出来ない。
    • このスキルは全Nexusに共通する129秒のグローバルクールダウンを有する。

Mothership Coreが破壊されての失敗、のような形はもう無いようですが、そのかわり4秒間は攻撃を受ける仕様に変わりました。ネクサスの数だけ飛び放題になることを防ぐため、全Nexusに共通するクールダウンが設けられています。

  • Nexusに新スキル:Shield Rechargeを追加。
    • 1エナジーにつき3シールドを回復。射程8。オートキャスト可能。ユニット・建物両方に使用可能。

Photon Overchargeの代わりに追加された攻撃ではなく回復スキル。エナジーがある限りはもりもり回復していきます。
この変更は無くなりました。

もともとMothership Coreのデザインが好きではない人も多く、Photon Overchargeはワンクリックディフェンスと揶揄されることも多かったのは確かです。
それでもプロトスが拡張していくためには必要なユニット・スキルだったのですが、ここに来てMothership Core削除という大鉈を振るうことになりました。
Photon Overchargeが無くなった分は後述するShield Batteryで補ってねということになりますが、それが可能かどうかはこれからの研究にかかっているかと思います。
前述した通り新しくなったMass Recallには、全Nexus間でグローバル(共通の)クールダウンが導入されているため、立て続けに使用してNexusからNexusへ飛び移るようなことはできません。
ただし後述するMothershipと組み合わせれば複数回の使用も可能となります。

新建物:Shield Battery

  • 範囲6以内の味方ユニット/建物のシールドを回復するスキルを持つ建物。
  • 1エナジーにつき3シールドを回復。シールド回復レートは1秒につき最大51シールド。
  • オートキャストの場合、味方ユニット及びPhoton Cannonが対象となる。マニュアルキャストであればどの建物でも可能。
  • コストはMinerals.gif75。生産時間28.6秒。必要建物はCybernetics Core
  • 耐久力は200シールド/200HP/初期エナジー100。最大100のエナジーを保持可能

テストマップ当初はNexusが使用するシールド回復スキルが試されていましたが、後になって追加されたのがShield Batteryです。前作SC:BWで存在した建物で、周辺のユニットのシールドを回復する機能を持ちます。防衛に確かに役に立つ反面、Mothership Core最大の強みだったMothership CorePylonがあればディフェンスできる、という点はなくなっていますので、これがどう使われてどうプロトスを守っていくかは興味深いですね。

Stalker

  • 攻撃力:10(14 vs Armored)→15(21 vs Armored)に増加。
  • 攻撃間隔:1.03→1.54に増加
  • 攻撃アップグレードは1段階につきダメージが2増加するようになる。

Mothership Coreが無くなった事で序盤の防衛が手薄くなる分をカバーする意図でのStalkerの調整です。
DPSとしては変わりませんが、一撃のダメージが上がったことでユニットスナイプがやりやすくなるため、これはバフと言ってもいいでしょう。

Disruptor

  • Purification Novaの仕様を以下のように変更。
    • Purification Novaは中央の起爆部が敵ユニットに触れた瞬間爆発するようになる。(建物では爆発しない)
    • Purification Novaは敵ユニットに触れなければ2秒間持続する。(現在と同じ)
    • 起爆部の範囲:0.5→0.25に減少。
    • クールダウンが21s→14.3sに減少。
    • Changelingでは起動しない。

この変更はクールダウンの減少や敵ユニットに当たったら爆発するようにすることで安定したダメージを与えられるようにしつつ、
ダメージを減らし試合がそれだけで終わってしまうような当たりを少なくする意図があるようです。
テスト中一度はRoachすら一撃で落とせない情けない姿に涙した人も多かったのですが、その後の調整でまた変化しましたので、どう使われるか楽しみですね。

Colossus

  • 攻撃のダメージ:12→10(+5 vs Light)に変更。
  • アップグレードでの攻撃力上昇:1→1(+1 vs Light)変更。
  • 基本射程:6→7に上昇。
  • Extended Thermal Lanceが以下のように変更。
    • 射程の増加が+3→+2に減少、コストがMinerals.gif200Vespene-terran.gif200→Minerals.gif150Vespene-terran.gif150に減少。

以前Community Feedback Updateで言及されていた対ライト特化Colossusの案がここで登場します。
MarineHydraliskなどには今までより多くのダメージを出せる反面、MarrauderBanelingなどにはいまいちなダメージしか出なくなるため
相手の構成をしっかり確認して出すユニットになりそうです。基本射程増加&アップグレードコスト減少も微buffですね。

Carrier

LotvのBanker Build TimeことInterceptorのコスト。さぁ15で落ち着くでしょうか。

High Templar

  • 通常攻撃を追加。射程6、ダメージ4、攻撃間隔1.25s。

キャンペーンではTassadarなど通常攻撃を持つHigh Templarもいましたが、なんとここでマルチプレーでも通常攻撃が追加されます。
とはいってもコレは攻撃が目的と言うより、Aムーブ時に敵に突っ込んでいかないように、という意図が強いようです。ユーザーフレンドリーな変更ですね。

Mothership

  • Nexusから直接生産可能。
  • Photon Overchargeスキルを削除。
  • Mass Recallを削除
  • 新スキル:Forward Recallを追加。
    • Nexusのものと同様、対象範囲のユニットをMothershipの近くにテレポートさせる。
    • 消費エナジー100。クルーダウンは無く、200エナジー溜まっていれば連続で使用可能。

Mothership Coreの削除に合わせた仕様変更・・・ですが新スキルForward Recallの性能に注目。
従来は周囲のユニットと共に帰還するだけのものでしたが、これはMothership側にテレポートさせるというものです、
つまり、Mothershipを敵陣に飛ばした後そこに別働隊や拠点防衛部隊などをテレポートさせて荒らし周り、その後NexusのMass Recallで帰るなんて荒業も可能になります。
機動力を転送技術で補うという何ともプロトスらしい調整ですね。単純にNexusにMothershipを配置しておけば、疑似的にMass Recallとしても機能させられますし、他にも色々使い道がありそうです。

Observer

  • 新スキル:Surveillance Modeを追加。Observerが移動不可になり、25%視界が増加する。

この変更はF2(全軍選択)使っちゃうボーイのための変更という意図が強いようです。ユーザーフレンドリーな変更の一つですね。
もちろん視界増加もかなり役立つでしょう。

Oracle

  • Revelationの効果時間:43s→30sに減少。

以前からRevelationがあまりに効果的かつ時間が長すぎるという指摘はありましたが、ここで変更となりました。

  • 「Stasis Ward」スキルはEgg及びLarvaに影響しなくなった。

ザーグのみがStasis Wardによって生産を止められてしまうため、その不公平を取り払うための変更とのことです。

  • 「Stasis Ward」の持続時間が170秒に設定された。(現環境は発動または破壊されるまで持続)

マップがStasis Wardに大量に埋め尽くされて移動が大きく阻害されることを防ぐため、とのことです。マスオラクルが流行っている事への対応という面もありそうですね。

  • 「Pulsar Beam」スキルの攻撃がスペルダメージではなくなった。(つまりArmorやアップグレードにダメージが影響する。)

これにより試合が進むにつれてPulsar Beamスキルの有用性は(エアー攻撃アップグレードを入れない限り)落ちていくことになります。最近流行りのマスオラクルの弱体化にも繋がりそうな変更ですね。

Adept

  • Shadeの視界:2→4へと増加。

Mothership Coreの削除によりプロトスの序盤の偵察能力が低下したため、Adeptの影の視界を少し戻すことで対応したいようです。

ザーグの変更案

ザーグは今回は少しおとなしめな調整となっています。Hydraliskの主力化などが上手く行ったからという感じがしますね。
変更まとめ動画はこちら↓

以下が変更案です。

Infestor

  • Fungal Growthスキルが以下のように変更。
    • 効果範囲:2.0→2.5に増加。
    • 命中したユニットの移動速度を75%減少させる。

スネア機能からスロー機能へと変更し、そのかわりに効果範囲が上昇しています。これによりカウンタープレイが有効になることが期待されているようです。バロウファンガルが強すぎたかな?

  • Infested Terranが以下のように変更。
    • Missile AttackとGround Carapaceアップグレードが適用されるようになる。
    • Infested Gauss Rifle(通常攻撃)のダメージ:8→6に減少。また、空中ユニットにはヒットしなくなる。
    • 対空用の新通常攻撃「Acid Spores」を装備。射程6、ダメージ14、攻撃間隔0.95、対地攻撃に優先する。
    • オンクリープ・オフクリープともに3.6秒で卵から出てくるようになる。


Fungal Growthは微nerf、Infested Terranが大きくBuffといった感じでしょうか。
Infested Terranの対空DPSは現状より純粋に強化され、全ての攻撃にはアプグレが乗るようになりました。もうスティムマリーンが射出されているようなものです。
Fungalはスローにはなったものの範囲は上昇。Fungal→RavagerのCorrosive Bileコンボは難しくなりましたが先読み次第ではまだ可能かなと思います。

Lurker

  • Hydralisk DenLurker Denに変異できなくなる。
  • 新建物:Lurker Denを直接生産可能。コストMinerals.gif100/Vespene-terran.gif150。建築時間86秒。
  • 新アップグレード:Digging Clawsを追加。詳細は以下の通り。
    • Lurker Denで研究可能。Hiveが必要、コストMinerals.gif150/Vespene-terran.gif150。研究時間56秒。
    • Lurkerのバロウ時間減少、移動速度を4.13→4.55に増加。

Lurker Denが独立した建物になることでHydraliskのアップグレードを入れながらLurkerの準備が出来るようになりました。
アップグレードは強力ではありますが、Hiveが必要なのがどう響くかという感じでしょうか。

Viper

  • Parastic Bombスキル:ダメージを60→120に増加。効果はスタックしなくなる。

効果がスタックしなくなる代わりにダメージの強化が入っています。最初は180ダメージだったのですが流石にやり過ぎということで120に落ち着きました。
Fungalがスネアではなくスローになったことの穴埋めという面もありそうですね。

Overseer

  • 新スキル:Oversightを追加。移動不可になり、視界が25%増加する。

Observerのものと同じようなスキルです。F2ユーザーには有り難いですね。ユーザーフレンドリーな変更です。

Swarm Host

  • オフクリープの移動速度:4.13→3.15に低下。

対メックでは凶悪な仕事をするSwarm Hostですが、少しトーンダウンさせたい意図のようです。クリープの伸びが重要になりますね。

筆者の感想

今回の調整はコミュニティからも比較的好意的に受け取られているように感じます。
ユニットデザインの悪さを指摘されることの多かったMothership Coreの削除や、対処にストレスがかかるユニットだったWidow Mineのnerf
Observer,Overseer,High Templarへのユーザーフレンドリーな変更や、資源量の増加など、難しい拡張と言われたLotvを少しトーンダウンさせて
遊びやすい方向に舵を切っているように思います。賛否両論あるでしょうが、この方向性は今後のSC2にとっては悪くないのではないでしょうか。
繰り返しになりますがこの調整案はあくまで案、実際には没になったりここにない要素が入ってきたりする可能性も十分にあります(去年もそうでした)
既にTestingタブからテストできるので、みなさんもぜひテストしてみてください!