2017/11/14 大規模ユニットデザイン変更が適用されました。

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Summary

詳細

2016年にはSC2史上初めて拡張発売時以外での大規模なユニットのデザイン変更を含めたバランス調整が行われました。良かった点悪かった点あったかと思いますが、
SC2を良くするためには数値の調整のみならずデザイン変更も辞さない姿勢は高く評価され、また再度の大規模変更も期待されていました。
その声に答えてか今年2017年も昨年より大規模なデザイン変更を含めたバランス調整が行われました。以下がその変更内容です。

エコノミーの変更

HotS→Lotvへの移行時、エコノミーの変更として3ベースで篭もるプレーをやりづらくし、早期の拡張を促すためにミネラルパッチの総量変更が行われました。
これは意図通りの結果をもたらしスピーディーな拡張が行われるようになりましたが、拡張を咎められたプレーヤーが以前より不利になってしまうという問題点もありました。
これを少し改善するために以下のような変更が入ります。

  • 大きいミネラルパッチのミネラル総量:Minerals.gif1500→Minerals.gif1800に増加
  • 小さいミネラルパッチの総量はMinerals.gif900で変化なし
  • ヴェスピンガスの総量:Vespene-terran.gif2000→Vespene-terran.gif2250に増加

これにより1つのベースにとどまれる時間は長くなりつつも、小さなミネラルパッチはすぐなくなってしまうので拡張自体はしていくほうが良いという形になりそうです。

テランの変更

昨年の大規模バランス調整では、バイオに大きく偏っていたテランの構成を是正すべく、メックの復権を意図した調整が多く入りました。
これにより個々のユニットでは多く使われるようになったものも出ましたが、メック構成自体はvZで僅かに使われるようになった程度でした。
今年はさらに突っ込んだ変更を行い、メック構成の復権を狙っていくようです。

Raven

  • 現在の全スキル及びRecalibrated Explosivesアップグレードを削除。
  • 新スキル:Interference Matrixを追加。
    • 50エナジー、射程8。対象のMechanicalユニット及びPsionicユニットの武器とスキルを6秒間使用不能にする。

BWのロックダウンスキルに似ていますが、こちらは移動は可能です。Medivacなどに使えばユニットが下ろせなくなったりもするようです。最初はMechanicalユニットのみでしたが、Psionicユニットも対象になることでvZでも役に立つようになりました。

  • 新スキル:Repair Droneを追加。
    • 75エナジー。90秒間、範囲6内のMechanicalユニットを自動で回復可能なRepair Droneを展開する。
    • 1秒間に12.6HPを回復し、3HP回復ごとに1エナジーを使用する。

メック版Medivacのような効果です。Co-opからの輸入スキルのようですね。

  • 新スキル:Anti-Armor Missileを追加。
    • 125エナジー。2秒のDelayの後起動し、対象を追尾、着弾時に30の範囲ダメージ及び21秒の間アーマーを3下げるミサイルを展開する。
  • 新アップグレード:Enhanced Munitionsを追加。
    • StarportTech Labで研究。コストはMinerals.gif150/Vespene-terran.gif150、研究時間79秒。
    • Anti-Armor Missileの効果範囲20%増加、追尾距離50%増加。

シーカーミサイルと同じ挙動ですが、効果は小ダメージ+アーマー減少効果と大きく異なります。なんと装甲はマイナスにもなるようです。着弾したユニットにはデバフ時間を表すステータスバーが表示されます。

Ravenはここにきて一気に全スキルとっかえの大規模変更が入ります。
ハラスではなくサポートキャスターとしての役割を強化し、かつ大量に作るのではなく少数で仕事をするユニットを目指しているようです。
3つのスキルはどれも直接戦闘やハラスではあまり役に立たないサポートメインのスキルばかりですね。

Liberator

  • Defender Mode時の視界ボーナスが削除され、Defender Mode時にターゲットエリアの視界を確保可能になる。

Liberatorは小さな変更です。これにより対処する側が視界外から近づいて打ちやすくなるということですが、実際どのくらい影響があるでしょうか。

Cyclone

  • Lock On時のミサイル攻撃の最初の4発は急速に発射されるようになる。ダメージ総量は160で変更なし。
  • 新アップグレード:Rapid Fire Launchersを追加。
  • FactoryTech Labで研究。コストはMinerals.gif150/Vespene-terran.gif150、研究時間79秒。
    • Lock On時の最初の12発は0.21秒間隔で射出され、残りの8発は0.84秒間隔で射出される。

Cycloneの対空豆鉄砲が少し強くなる変更ですが、研究を入れないといけないこともありどの程度影響があるかはなんともですね。

Ghost

  • Ghostは初期状態からCloakが使用可能になる
  • Ghostの初期エナジー:75→50に減少。
  • 新アップグレード:Moebius Reactorを追加。
    • Ghost Academyで研究。コストはMinerals.gif100/Vespene-terran.gif100、研究時間57秒。
    • Ghostの初期エナジーを25増加させる。

最初からクロークが使用可能な代わりに初期エナジーが減少する調整です。Lotv初期に即クロークゴーストラッシュなどを見ましたが、
そのラッシュが多く見られるようになるかもしれません。

FactoryTech Lab

入れるとHotSオープニングムービー並の速度でVikingが変更するようになります。HellionHellbatの変形は他の変形に比べてこのアップグレードの恩恵は薄く設定されています。(2.86秒での変形)

Marauder

  • Concussive Shallsアップグレードが入ると、攻撃に青い軌跡が出るようになる。

見た目の変更。見た目は大事。

Widow Mine

  • Widow Mineは攻撃のクールダウン中(バロウ中でも)視認可能になる。

HotSでの登場以降(特にvPで)試合がWidow Mineだけで終わる瞬間が多くありましたが、少なくとも継続的にWidow Mineに悩まされる展開は少なくなりそうです。
とはいえ初回攻撃時の威力は全く落ちていないので、しっかりと反応しないといけないのは変わっていないのは注意です。
vZの継続戦闘時などにも視認可能になるのはテランには少し苦しいかもしれません。

プロトスの変更

前回の大規模変更では変更が少なかったプロトスですが、今回はユニットの削除を含めた非常に多くの要素が変更されます。
以下が変更案です。

Mothership Core&Nexus

  • Mothership Coreをゲームから削除。
  • Nexusは初期エナジー50、最大200エナジーを持つようになった。
  • Chrono Boostのスキルの仕様変更。50エナジー、効果時間10秒。建物の生産・研究速度を100%増加させる。

仕様としてHotSまでのものに近くなりました。

  • Nexusに新スキル:Mass Recallを追加。
    • 50エナジー。3.6秒後に指定範囲のユニットを0.4秒かけたNexusの近くにテレポートさせる。この間ユニットは攻撃も移動も出来ない。
    • このスキルは全Nexusに共通する130秒のグローバルクールダウンを有する。

Mothership Coreが破壊されての失敗、のような形はもう無いようですが、そのかわり4秒間は攻撃を受ける仕様に変わりました。ネクサスの数だけ飛び放題になることを防ぐため、全Nexusに共通するクールダウンが設けられています。 もともとMothership Coreのデザインが好きではない人も多く、Photon Overchargeはワンクリックディフェンスと揶揄されることも多かったのは確かです。
それでもプロトスが拡張していくためには必要なユニット・スキルだったのですが、ここに来てMothership Core削除という大鉈を振るうことになりました。
Photon Overchargeが無くなった分は後述するShield Batteryで補ってねということになりますが、それが可能かどうかはこれからの研究にかかっているかと思います。
前述した通り新しくなったMass Recallには、全Nexus間でグローバル(共通の)クールダウンが導入されているため、立て続けに使用してNexusからNexusへ飛び移るようなことはできません。
ただし後述するMothershipと組み合わせれば複数回の使用も可能となります。

新建物:Shield Battery

  • 範囲6以内の味方ユニット/建物のシールドを回復するスキルを持つ建物。
  • コストはMinerals.gif75。生産時間28.6秒。必要建物はCybernetics Core
  • 耐久力は200シールド/200HP/初期エナジー100。最大100のエナジーを保持可能
  • 1エナジーにつき3シールドを回復。シールド回復レートは1秒につき最大50.4シールド。
  • オートキャストの場合、味方ユニット及びPhoton Cannonが対象となる。マニュアルキャストであればどの建物でも可能。

テストマップ当初はNexusが使用するシールド回復スキルが試されていましたが、後になって追加されたのがShield Batteryです。前作SC:BWで存在した建物で、周辺のユニットのシールドを回復する機能を持ちます。防衛に確かに役に立つ反面、Mothership Core最大の強みだったMothership CorePylonがあればディフェンスできる、という点はなくなっていますので、これがどう使われてどうプロトスを守っていくかは興味深いですね。

Mothership

  • Nexusから直接生産可能。(要Fleet Beacon)
  • Photon Overchargeスキルを削除。
  • Mass Recallを削除
  • 新スキル:Strategic Recallを追加。
    • Nexusのものと同様、対象範囲のユニットをMothershipの近くにテレポートさせる。
    • 消費エナジー100。クルーダウンは無く、NexusのMass Recallスキルともクールダウンは共有しない。

Mothership Coreの削除に合わせた仕様変更・・・ですが新スキルStrategic Recallの性能に注目。
従来は周囲のユニットと共に帰還するだけのものでしたが、これはMothership側にテレポートさせるというものです、
つまり、Mothershipを敵陣に飛ばした後そこに別働隊や拠点防衛部隊などをテレポートさせて荒らし周り、その後NexusのMass Recallで帰るなんて荒業も可能になります。
機動力を転送技術で補うという何ともプロトスらしい調整ですね。単純にNexusMothershipを配置しておけば、疑似的にMass Recallとしても機能させられますし、他にも色々使い道がありそうです。

Disruptor

  • Purification Novaの仕様を以下のように変更。
    • Purification Novaは中央の範囲0.25の起爆部が敵ユニットに触れた瞬間爆発するようになる。(建物では爆発しない)
    • Purification Novaは敵ユニットに触れなければ2秒間持続する。
    • クールダウンが21s→14.3sに減少。
    • 敵の建物およびChangelingでは起動しない。

この変更はクールダウンの減少や敵ユニットに当たったら爆発するようにすることで安定したダメージを与えられるようにしつつ、
ダメージを減らし試合がそれだけで終わってしまうような当たりを少なくする意図があるようです。
テスト中一度はRoachすら一撃で落とせない情けない姿に涙した人も多かったのですが、その後の調整でまた変化しましたので、どう使われるか楽しみですね。

Observer

  • 新スキル:Surveillance Modeを追加。Observerが移動不可になり、25%視界が増加する。

この変更はF2(全軍選択)使っちゃうボーイのための変更という意図が強いようです。ユーザーフレンドリーな変更の一つですね。
もちろん視界増加もかなり役立つでしょう。

Stalker

  • 攻撃力:10(14 vs Armored)→15(21 vs Armored)に増加。
  • 攻撃間隔:1.03→1.54に増加
  • 攻撃アップグレードは1段階につきダメージが2増加するようになる。

Mothership Coreが無くなった事で序盤の防衛が手薄くなる分をカバーする意図でのStalkerの調整です。
DPSとしては変わりませんが、一撃のダメージが上がったことでユニットスナイプがやりやすくなるため、これはバフと言ってもいいでしょう。

High Templar

  • 通常攻撃を追加。射程6、ダメージ4、攻撃間隔1.25s。地上ユニットのみ攻撃可能。

キャンペーンではTassadarなど通常攻撃を持つHigh Templarもいましたが、なんとここでマルチプレーでも通常攻撃が追加されます。
とはいってもコレは攻撃が目的と言うより、Aムーブ時に敵に突っ込んでいかないように、という意図が強いようです。ユーザーフレンドリーな変更ですね。

Colossus

  • 攻撃のダメージ:12→10(+5 vs Light)に変更。
  • アップグレードでの攻撃力上昇:1→1(+1 vs Light)変更。
  • 基本射程:6→7に上昇。
  • Extended Thermal Lanceが以下のように変更。
    • 射程の増加が+3→+2に減少、コストがMinerals.gif200Vespene-terran.gif200→Minerals.gif150Vespene-terran.gif150に減少。

以前Community Feedback Updateで言及されていた対ライト特化Colossusの案がここで登場します。
MarineHydraliskなどには今までより多くのダメージを出せる反面、MarauderBanelingなどにはいまいちなダメージしか出なくなるため
相手の構成をしっかり確認して出すユニットになりそうです。基本射程増加&アップグレードコスト減少も微buffですね。

Carrier

LotvのBanker Build TimeことInterceptorのコスト。さぁ15で落ち着くでしょうか。

Oracle

  • Revelationの効果時間:43s→30sに減少。

以前からRevelationがあまりに効果的かつ時間が長すぎるという指摘はありましたが、ここで変更となりました。

  • 「Stasis Ward」スキルはEgg及びLarvaに影響しなくなった。

ザーグのみがStasis Wardによって生産を止められてしまうため、その不公平を取り払うための変更とのことです。

  • 「Stasis Ward」の持続時間が170秒に設定された。(現環境は発動または破壊されるまで持続)

マップがStasis Wardに大量に埋め尽くされて移動が大きく阻害されることを防ぐため、とのことです。マスオラクルが流行っている事への対応という面もありそうですね。

  • 「Pulsar Beam」スキルの攻撃がスペルダメージではなくなった。(つまりArmorやアップグレードにダメージが影響する。)

これにより試合が進むにつれてPulsar Beamスキルの有用性は(エアー攻撃アップグレードを入れない限り)落ちていくことになります。最近流行りのマスオラクルの弱体化にも繋がりそうな変更ですね。

Adept

  • Shadeの視界:2→4へと増加。

Mothership Coreの削除によりプロトスの序盤の偵察能力が低下したため、Adeptの影の視界を少し戻すことで対応したいようです。

Warp Prism

  • Warp Prismにピックアップされたユニットにビジュアルエフェクトが追加。

見た目の変更。見た目は大事。遠距離回収の違和感が少なくなるようになっています。

ザーグの変更

ザーグは今回は少しおとなしめな調整となっています。Hydraliskの主力化などが上手く行ったからという感じがしますね。
以下が変更案です。

Infestor

  • Infested Terranが以下のように変更。
    • Infested Gauss Rifle(通常攻撃)のダメージ:8→6に減少。また、空中ユニットにはヒットしなくなる。
    • 対空用の新通常攻撃「Acid Spores」を装備。射程6、ダメージ14、攻撃間隔0.95、対地攻撃に優先する。
    • Missile AttackとGround Carapaceアップグレードが適用されるようになる。
    • オンクリープ・オフクリープともに3.6秒で卵から出てくるようになる。
  • Fungal Growthスキルが以下のように変更。
    • 効果範囲:2.0→2.5に増加。
    • 命中したユニットの移動速度を75%減少させる。

スネア機能からスロー機能へと変更し、そのかわりに効果範囲が上昇しています。これによりカウンタープレイが有効になることが期待されているようです。バロウファンガルが強すぎたかな?


Fungal Growthは微nerfかと思いきや使われている感じをみると範囲上昇の恩恵が大きいようです。Infested Terranが大きくBuffといった感じでしょうか。
Infested Terranの対空DPSは現状より純粋に強化され、全ての攻撃にはアプグレが乗るようになりました。もうスティムマリーンが射出されているようなものです。
Fungalはスローにはなったものの範囲は上昇。Fungal→RavagerのCorrosive Bileコンボは少しだけ難しくなりましたがそこまでの問題では無さそうです。

Overseer

  • 新スキル:Oversightを追加。移動不可になり、視界が25%増加する。

Observerのものと同じようなスキルです。F2ユーザーには有り難いですね。ユーザーフレンドリーな変更です。

Viper

  • Parastic Bombスキル:ダメージを7秒間で60→120に増加。効果はスタックしなくなる。
  • ダメージ効果が始まるまえに0.7秒のディレイが生じるようになった。

効果がスタックしなくなる代わりにダメージの強化が入っています。最初は180ダメージだったのですが流石にやり過ぎということで120に落ち着きました。
Fungalがスネアではなくスローになったことの穴埋めという面もありそうですね。
0.7秒のディレイは喰らったプレーヤーが反応しやすいようにということです。

Swarm Host

  • 移動速度:4.13→3.15に低下。

対メックでは凶悪な仕事をするSwarm Hostですが、少しトーンダウンさせたい意図のようです。

Lurker

  • Hydralisk DenLurker Denに変異できなくなる。
  • Droneが直接Hydralisk Denに変異するようになる。コストMinerals.gif100/Vespene-terran.gif150。建築時間86秒。
  • 新アップグレード:Adaptive Talonsを追加。
    • Lurker Denで研究可能。Hiveが必要、コストMinerals.gif150/Vespene-terran.gif150。研究時間56秒。
    • Lurkerのバロウ時間減少、移動速度を4.13→4.55に増加。

Lurker Denが独立した建物になることでHydraliskのアップグレードを入れながらLurkerの準備が出来るようになりました。
アップグレードは強力ではありますが、Hiveが必要なのがどう響くかという感じでしょうか。

Overlord

  • 移動速度が0.82→0.902に上昇。
  • Pneumatized Carapace(移動速度上昇)研究後の移動速度は2.63で据え置き。

ZvZのコインフリップ感を減らすための変更とのこと。他種族相手でももちろん役に立ちそうです。

筆者の感想

今回の調整はコミュニティからも比較的好意的に受け取られているように感じます。
ユニットデザインの悪さを指摘されることの多かったMothership Coreの削除や、対処にストレスがかかるユニットだったWidow Mineのnerf
Observer,Overseer,High Templarへのユーザーフレンドリーな変更や、資源量の増加など、難しい拡張と言われたLotvを少しトーンダウンさせて
遊びやすい方向に舵を切っているように思います。賛否両論あるでしょうが、この方向性は今後のSC2にとっては悪くないのではないでしょうか。
F2Pも同時に入っていますので、少しでも新しいプレーヤー、既存プレーヤー両方とも楽しく遊べるようになるといいですね!